【あるひとつの詩】暗闇と私

Poetry

暗闇の中にいる時
声を出すことができなかった
声を出す勇気がなくて
自分の声をわすれてしまった
声のだしかたをわすれてしまった
このまま私は声をだすことが永遠にできないように感じた
そんな日が何日もつづく
このままどうやったら終わりをむかえることができるのかと思った
1日でも早く
すこしでも早く
そのあいだ私はどこかでさまよっていようと思った
この今ではないどこかで
けれどどこでどのようにさまよってよいのかわからない
どこへ行けばさまようことができる?
この今から離れることができる?


誰にも聞けない
誰もおしえてはくれない
だから私は自分自身の暗闇でさまようしかない
どうせ出口もないし
入口もとうに閉ざしたので誰もはいってこない
だから私はここにいるしかない
けれどどこからか何かが見える
ただの点なのか
暗闇に穴があいてしまっただけなのか
その点から何かが聞こえる
“これが私の望みなのか?”
“この暗闇が求めていたものなのか?”
誰もはいってこない
自分の声すら聞こえない
それがずっと欲しかったものなのか?
けれどまだ何も声にはできない
その点を塞ぐこともできない
その点は暗闇をほんの少し照らしてくれる
すこし心地よい
だから少しの間このままにしておこう
いつでもふさいでしまうことができる
いつでもこの中でひとりたたずむことができるのだから
誰もいない
誰もはいってこない
自分の思考でさえ入りこむ隙のないこの世界
私だけのこの世界で
けれど点は亀裂へとかわりはじめる
今とじなければもう塞ぎきれない
けれどその亀裂から漏れる光は心地よい
塞ぎたくない
もっとその光の先をみてみたい
何があるのだろう?
もしかしたら私にもその先を見ることができるのか?
その光は私を照らし続けてくれるのか?
もしかしたら突然とざされたりしないのか?
そうなったら私はまた暗闇の中

暗闇が私を引きとめる

ここは心地いいだろう?

あなただけの世界だよ

誰もはいってこない

誰にも傷つけられない

邪魔されない

私だけの世界
きっとここ以外に私の居場所はない

この暗闇だけが私の味方

私を認めてくれる

私だけの世界

そう私だけ

他には誰もいない

どこへも行けない

このままずっと・・・・

“これが私の望みなのか?”
“この暗闇が求めていたものなのか?”

光は語り続ける

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