その日、火の鳥へ乗るために久しぶりに早起きをした
火の鳥は大阪から名古屋へと行くことができる特急電車だ
伊勢神宮へ行くときに使われるしまかぜと同じくらい知名度が高い列車ではないだろうか
本来なら名古屋へ行くときに使うべきかもしれないが、どうしても名古屋へ行く用事が見つからなったのだ
ただ観光して日帰りで帰ってくることも可能だったのだが、どうせ名古屋まで行くなら1泊して帰りたい
どうせなら中部国際空港セントレアにも行って、そこから・・・・
と考え出すとキリがなくなり、とにかく火の鳥へ乗ることだけを考えた
そうすると火の鳥は名古屋へ行く途中で奈良八木駅へ停車することがわかった
これならば日帰りで簡単に大阪から行ける
ちょっと贅沢な旅になるが、まずは火の鳥をどんなものか見ることはできると片道30分ほど火の鳥へ乗車することを決めた
火の鳥乗車
鶴橋駅から今回は乗り込む
鉄道マニアの気持ちがわかるような気がした
早めにホームへ降り、見たことがない装飾の電車があれば写真を撮ったり、どうしたら火の鳥の“顔”を写真に収めることができるのかなど考えた
多くの人が鉄道に魅せられる気持ちが少しわかったような気がする
そして火の鳥がホームに入ってくる写真を撮り、乗り遅れないよう車内へ
ちなみに車両は今回は普通席とプレミア席がるが、プレミア席を選んだ
圧巻の車内である
白ではなくクリーム色のゆったりとしたシートが目に入ってくる
決して空間自体は広くはない
それがむしろ特別な空間を作り出している
そして、正面には運転席を見渡すことができる大きな窓
運転席からからの景色も座席を通して見ることができる
シートに座りリクライニングを倒す
ちなみにシートもカーテンもボタンひとつで作動することができる
乗り心地が良すぎて、立ちたくなくなってしまうほど
名古屋までの指定券をとっていないことを悔いた
けれど、今日はまず火の鳥を体験するためだと自分に言い聞かせ、あっという間の30分ほどの乗車を終えた
本当にあっという間だった
電車でこんな贅沢な空間を味わえるとは驚きだった
橿原新宮へ
次に大和八木から向かったのは電車を乗り換え、橿原神宮だ
実は子供の頃は奈良に住んでいた
子供の頃の初詣と言えば橿原神宮だった
正直、写真で残っていたから記憶にあるが、実際にお参りした記憶は残っていない
大人になってからは、奈良に住んでいた友人が橿原神宮で結婚式を挙げるときに訪れたことがる
けれど、きちんと参拝した記憶もないので、この機会に訪れてみるのもいいかなと思った
時間も早かったせいか、広大な神社の敷地内には人はまばらだった
地面には小さな白石が敷き詰められてあり、歩くと少し持っていかれる
歩きにくいなと地面に目をやると、箒での模様のようなものが全体に引かれてある
まだ時間が早かったため、その模様が残っているのであろう
静寂に包まれる中お参りをして、また火の鳥で大阪に帰るべく橿原神宮を後にした
もう一度火の鳥へ
帰りも火の鳥のプレミア席を選んだ
乗り心地が良すぎて何度でも乗りたくなる
以前から私は列車での旅の楽しみ方がよくわからないでいた
先日は近鉄の観光列車「青の交響曲」にも乗車したが、一番楽しかった時は乗車前の青の交響曲が目の前にあり、そして乗り込み内装などを見たときかもしれない
なので、正直なところ30分も電車に乗っていれば十分楽しめる
けれど、この火の鳥の場合はもちろん乗り込む瞬間も楽しいが、座席が気持ちよくて、電車に乗車中にスマホの操作すらあまりしない私にとっては(酔いやすいため、極力文字は見ないようにしているため)最高に列車旅を満喫させてくれる
また車内も観光列車とは違い、仕事など“移動手段”として利用している人が多いせいか、かなり静かであった
ウイークデーの新幹線のような雰囲気に近い
昔から人混みや賑やかな雰囲気よりも落ち着いた雰囲気の場所を好む私にとっては最適な“観光列車”であった
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