もし落ち込んでいるなら、騙されたと思って読んでほしい
著者の西田文郎さんは、今でこそビジネスやスポーツ業界でのイメージトレーニング指導として受け入れられ、オリンピックの出場者に指導もされたという経歴をお持ちですが、実際は西田さんがメンタルトレーニングをスポーツ業界に広めようとされた時には、数々の実業団やスポーツチーム、学校などに相手にもされず、それでも諦めずに売り込みを続けて、ついにはオリンピック選手を指導するまでになられたという過去があります。
その時にご自身でも今回ご紹介する「かもの法則」を知らず知らずに活用し、乗り越えられたということも書かれています。
私はこの本を偶然に知り、何となく読みやすいし読んでみようと軽い気持ちで読んでみたのですが、軽いタッチの文章に似合わず、目から鱗が落ちるような内容でした。
もし今、何か落ち込んでいたり不安を抱えているならば特に、もちろん何も心配事がなくっても、騙されたと思って読んでほしい1冊です。
難しことが常に重要で大事なのか?
多くの人は簡単なことを馬鹿にしています。
簡単なことより、難しいことのほうが重要であり、大事であるとなぜか思い込んでいます。
「かもの法則」西田文郎著より引用
冒頭ここから始まった時点で、そうだ!と気付かされました。
すぐに物事を複雑に考えようとして深みにはまり、落ち込みのループにはまってしまうのです。
この本は精神論をといているのではなく、脳科学を利用して自分の心をコントロールし、自分の未来を変えていく方法です。
精神論で成功哲学を解く本には必ずと言っていいほど、
- マイナス思考ではなくプラス思考になろう!
- ポジティブに物事を考えよう!
という内容が出てきます。
私もそれを信じて無理やり、落ち込んでいる時に良いことを考えるようにしたり、毎日歩きながら自分の願望を唱えたり、ノートに書き出したり….
数えきれない努力をしてきました。
けれど、結局それで状況が変わったと実感できることはありませんでした。
「絶対できる」「必ずできる」に書き換えようとしても、過去の記憶データに基づいて判断する私たちの脳は、「そんなことはあり得ないよ」と、書き換えを拒否してきます。これががプラス思考になれない理由です。
「かもの法則」西田文郎著より引用
なるほど!
ここを読んでこれまでのいくつもの努力が報われなかった理由がスッキリと理解することができました。
ならば、どうすればいいのでしょう。
過去の記憶をコツコツと塗りかえていくような経験を積み続けるのか?
そんなことをしても結局は、過去のデータに邪魔されて、前に進まないということが私でも想像がつきます。
思考を変えることができないが・・・
著者の西田文郎さんは「思考」は変えることができないが、それ以前に脳に舞い降りる「予感」を書き換えることで、未来を変えれると書いています。
考える前に舞い降りてくる「予感」
毎日の中で、ふっと心によぎる予感はないでしょうか?
空を見上げて「今日雨が降るかも」
営業に出る前に「今日の商談は無理かも」
今日する仕事を考えて「残業になるかも」
もしくは、もっと嫌なことも時にはうかんできます。
「このままだと老後はやっていけないかも」
「家のローンの返済ができなくなるかも」
「会社が潰れるかも」
「解雇されるかも」
……
ネガティブにはキリがありません。
そして、そのふと心によぎった予感の時点で別の「かも」に置き換えることが「かもの法則」です。
例えば
「雨は降っても帰る頃には止むかも」
「今日の商談はほぼダメだけど、万が一いけるかも」
「老後、やばいけど何とかなるかも」
「解雇されても、もっといい転職先がみつかるかも」
ここのポイントは、嘘でもいいからとりあえず「もしかしたら・・・かも」に言い換えてしまうことです。
先程思考を変えることはできないと言いました。
けれどまだ思考に変わる前の「予感」の時点で、言い切りではなく「もしかしたら・・・かも」に変えることで、脳内で過去のデータには矛盾を起こさず、脳に否定されることなく、その考えを脳にインプットすることができるようになるのです。
考え出してしまっては容易に変えることはできませんが、思考に変化する手間の時点で切り替えをすることにより、最小限の努力で思考をプラスに変えていくのです。
騙されたと思って、やってみてください。
私はこれで、深く落ち込むことが少なくなりました。
正直なところ、すっかりこの本の内容を忘れてネガティブ思考に走ってしまう時もありますが・・・。
西田文郎さんはこの「かもの法則」はとても簡単で、1章だけ読めば理解できてしまうと書かれていますが、実際には奥深く、ブログ内に難しいです。
また、脳の働きがどのように思考に働いているのかということが、本書の中にはもっとわかりやすく書かれています。
数多くの成功本や自己啓発本、スピリチュアルや科学的な視点のものまで数多く読んできましたが、私が本当に実践し、効果があり、また読む価値があると心から思えるものだけをご紹介しています。
この「かもの法則」はそう思える数少ない書籍のうちの1冊になります。
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